「1時間パソコン作業をしていると肩がつらい。」
「目が疲れてくると、同時に首や肩も辛くなってきて…」
このようなお悩みはありませんか。
こんにちは。理学療法士の廣畑です。
先日、ひどい肩こりにお悩みの方がいらっしゃいました
詳しくお話をうかがうと
「パソコン教室に通い始めてから、夜も眠れないほど肩が痛くなってしまって…」
と、急に長時間のパソコン作業をきっかけに肩こりになってしまったようでした。
さらに話を聞いていくと、もともと遠くのものが見えづらく、目が疲れやすい状態だったことがわかりました。
実は私自身も、長時間のパソコン作業による目の疲れを感じ、夜も肩こりで眠れなかった経験があります。
肩こりがひどく、夜も眠れなくなると気持ちまで沈んでしまいますよね。
実際に肩こりを経験されている方の多くは、パソコン作業で目の疲れを実感されています。
そこで今回、目の疲れから起こる肩こりについてケアの方法をご紹介します。
この情報が、同じような悩みを持つ皆さんの助けになれば嬉しいです。
パソコン作業で目が疲れて起こる首と肩こりの仕組み
肩こりの原因の多くは、姿勢の崩れによる筋肉の疲労によるものなんです。
筋肉や関節がスムーズに動くためには血の巡りがとても重要です。
筋肉が疲労して硬くなると、中を通っている血管を圧迫してしまいます。
これは、庭の水まきホースを踏んでしまったように血液の流れは滞ってしまう状態です。
血液の流れが悪くなると、筋肉や関節に必要な栄養や酸素が届かなくなり、同時に老廃物も溜まってしまいます。
このような筋肉の疲労を引き起こす大きな要因の一つが、パソコン作業時の姿勢です。
実は、私たちの頭の重さは大体4~5㎏ほどあるといわれています。
これは例えるならボーリング球を首や肩で支えつづけているようなものです。
パソコン作業中は、モニターを見続けることで無意識のうちに前かがみなり、重たい頭は体からどんどん前に移動してしまいます。
その結果、首や肩の筋肉に大きな負担がかかってしまいます。
さらに、目の疲れは自然と姿勢にも影響を与えていきます。
人間の感覚の中で、実に約8割もの情報が目から入ってくると言われています。
パソコン作業のように同じ距離を見続けることで、目の焦点を合わせる筋肉(毛様体筋:もうようたいきん)は疲労しやすくなってしまいます。
その結果、小さい文字を見るときのように自然と画面に顔を近づけ、のぞき込むような姿勢になってしまいます。
つまり、
目の疲れ → 姿勢の崩れ → 首肩への負担 → さらなる疲労
といった悪循環になってしまい、肩こりの症状を悪化させていくのです。
これを断ち切るためには、姿勢の改善と合わせて、目の疲れへの対策が重要です。
目と首のケアで楽に!効果的な予防法とストレッチを紹介
ここでは、目の疲れと肩こりを改善するための具体的なケア方法をご紹介します
■ 目のケア
血行促進と疲労回復のために、以下の方法を実践しましょう。
①温かいタオルで目を温める(3-5分程度)
目の周囲を温めることで血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれリラックスすることができます。
②定期的に遠くを見る習慣をつける
1時間に10分の休憩を取って遠くを見ることをおすすめしますが、難しい場合は、20分ごとに20秒間遠くを見る方法も効果的です。
※天神疋田眼科の推奨法[https://hikitaganka-fukubiru.com/eyestrain/]
③こまめにまばたきを意識する
まばたきは眼の周りの筋肉のストレッチになり、ドライアイの予防にもなります。
パソコンやスマートフォンの使用時は特に意識的に行いましょう。
④目の運動
目の体操は眼の筋肉を刺激して疲れをほぐす効果があります。
上下左右それぞれの方向に5~10秒ほど顔を動かさずに眼球を動かしてみましょう。
■ 肩まわりのストレッチ
筋肉の緊張を和らげ、血行を改善するストレッチです。無理のない範囲で行いましょう。
胸張り運動
・座った状態で肩甲骨を内側に寄せます
・肩甲骨を寄せた状態で3秒保持します
・30分~1時間に数回行うだけでも効果的です。
デスクワークによる目の疲れと肩こりを防ぐポイント
パソコン作業による症状を予防するための具体的な方法をご紹介します。
■ 作業環境の整備
快適な作業環境を整えることで、体への負担を軽減できます。
✓パソコン画面との距離
第一三共ヘルスケアではパソコン画面との距離を40cm以上、モニターの上辺が目より数センチ高くなることを勧めています
[参考:第一三共ヘルスケア 眼精疲労の予防|くすりと健康の情報局]
✓ ブルーライトをカットする: 専用メガネやフィルムを使用する
✓ 定期的な換気を行う: 酸素供給を促して、目の疲れを軽減します
✓ 椅子の高さを適切に調整: 正しい姿勢を保ちやすくなります
■ 休憩の取り方
適切な休憩を取ることで、疲労の蓄積を防ぐことができます。
✓ 1時間に1回は必ず短い休憩を取る
✓ 休憩時はスマートフォンの使用を控える
✓ 深呼吸でリラックスする
✓ 軽い全身運動を行う(例:立ち上がって背伸びをする、両膝の屈伸運動をする)
■ 日常生活での注意点
生活習慣の改善により、症状の予防と改善が期待できます。
✓ 十分な睡眠時間の確保(6~8時間)
✓ バランスの良い食事を心がける
✓ 就寝前の軽いストレッチ
✓ 定期的な運動習慣をつける
最後に
いかがだったでしょうか?
今回ご紹介した方法は、あくまでも一般的な対策です。
ご自身の生活リズムに合わせて、無理なく続けられる方法を見つけていただければと思います。
また、これらの対策を実践しても改善が見られない場合は、別の原因が隠れている可能性もあります。
そのような場合は、お気軽に下記のLINEからご相談ください。
このブログが皆様のお役に立てば幸いです。
(監修 理学療法士 廣畑 駿也)